「アメリカで、ファミコン関連の売り上げがハリウッド映画の興行収入 を抜いた」というニュースが流れていました。(2002/2/8) へぇ〜、やはりそうか、そういう時代なんだなあと思ったものの、ちょっ と待て、この数字、なんか変だぞと、よくよくみてみたらやっぱり変で した。 まず比較の仕方。 下の読売オンラインからの引用記事によると 2001年の全米の家庭用ビデオゲーム機関連の売上高 VS. 2001年のハリウッド映画の全米興行収入 となってます。 つまり、ファミコンは、機械もソフトもキャラクター商品も(たぶん)攻 略本のようなものも全部込みでの売り上げなのに対して、ハリウッド映 画の方は「全米興行収入」。つまり劇場での「ソフト」の売り上げだけ で比較している。かなりいびつな比較でしょう、これ。 日本での"興収"は考慮に入れられないとしても、仮にパンフやキャラク ター商品、DVDやセルビデオ、その他一切合切の「関連商品」も含めたら、 逆にハリウッド映画の凄さを見せつけられそうな「感触」がありますよ ね。ハリウッド映画全般の売り上げが凄いから、わざわざ「興行収入」 とだけ操作的に比較して、いかにもファミコンの売り上げが台頭してき ているようにみせようと大衆操作しているような。。。 また、報道自体にも含まれていましたが、「景気減速や米同時テロで、 遠出を控え身近な娯楽を楽しむ「巣ごもり現象」が強まったのも、販売 増につながった」とみることもできるでしょう。 さらには、ファミコン本体が日本円で三万円を超えるというような「商 品の高額化」が相対的に売上金額を押し上げているだけ、つまり、必ず しもゲーマーの人数が増えたことをこのデータは示していない、という こともこの場合考えなければならんでしょう。 要するに、政治経済状況からファミコンの売り上げが一時的に増加した のと、一部ゲーマーが高額なゲーム機に出費を強いられたせいで、ゲー ム関連の売り上げが(やや落ち込み気味の)ハリウッド映画全米興行収入 に並ぶ程度増加した、と読むのが報道の範囲では妥当な解釈でしょう。 相変わらず、マスコミというやつはいいかげんなデータ解釈を流してい るなあと再認識したニュースでした。くわばらくわばら。(笑) 以下、読売オンラインからの引用 ***** 米の家庭用ゲーム機の売り上げ、映画を超える 【シリコンバレー7日=京屋哲郎】2001年の全米の家庭用ビデオ ゲーム機関連の売上高は、前年比43%増の約94億ドル(1兆250 0億円)に上り、これまで最高だった99年の約69億ドルを大幅に上 回って過去最高を記録した。米ハイテク調査会社NPDグループの調査 で分かった。2001年のハリウッド映画の全米興行収入(約84億ド ル)を初めて上回り、ゲーム機がエンターテインメント産業の主役に躍 り出たことを示した。 家庭用ゲーム機の急成長は、任天堂のゲームキューブとゲームボーイ アドバンス、マイクロソフトのXボックスなど新ゲーム機が相次いで発 売されたことに加え、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SC E)のプレイステーション2の販売も好調を維持したことが要因だ。 景気減速や米同時テロで、遠出を控え身近な娯楽を楽しむ「巣ごもり 現象」が強まったのも、販売増につながったと見られる。 ゲーム機本体の販売は、数量ベースでは前年比39%増、金額ベース では同120%増と大幅増を記録した。ソフト(パソコン向けを含む) の売上高も前年比11%増の約60億ドルに達した。 (2月8日11:07) TITLE:YOMIURI ON-LINE/経済 DATE:2002/02/08 20:29 URL:http://www.yomiuri.co.jp/02/20020208i203.htm ***** 引用ここまで _/_/ Kiwi _/_/ - Osaka,Japan- _/_/ Kiwi@do-z.net _/_/